管理組合役員、修繕委員のお悩みにAI先生と全建センターの各分野のスタッフが回答します。

台風によるマンション各住戸被害の補償はどうなる??

昨年9月に発生した台風15号の影響で屋上の防水シートが剥がれて、最上階の住戸が水漏れ被害にあいました。 保険会社によると、共用部分が原因にもかかわらず、マンションがかけている保険では専有部分の損害補償はないそうです。  また、管理会社からも管理組合が被害住戸の面倒をみるものではない(法的な責任や義務はない)と言われています。どのような保険をかけていれば、今回の被害住戸の損害補償ができたのでしょうか?

台風によるマンション各住戸被害の補償はどうなる??へ2件のフィードバックがあります。

  1. 管理組合の保険では対応できない
    専有部分での加入が補償対象に

     台風により屋上の防水シートがはがれてしまい、最上階の専有部分(住戸)が水濡れの被害、原因が共用部なのに補償ができないとのことですが、“共用部分が原因”=“管理組合に賠償責任がある”というケースであれば、マンション共用部火災保険の“施設賠償責任(建物管理賠償責任)特約”にて補償することができます。
     ところが今回ご相談のケースでは、“共用部分が原因”≠“管理組合に賠償責任がある”となり、補償対象外と判断されました。大型台風に伴って発生した事故は一般的にそのほとんどが「不可抗力」によるものであり、被保険者(管理組合)にそもそも法律上の賠償責任自体が生じないものと考えられたようです。
     「不可抗力」による損害かどうかについては、“事故や損害の発生を予見することができたか(予見可能性)”“予防することができたか、結果を回避することができたか(結果回避可能性)”“損害との因果関係”等そのケース毎に確認して個別判断となります。
     従って大型台風が原因の事故については、賠償責任特約はほとんど無責となるのです。
    ・他の保険での対応について
     一般的に現状では管理組合が用意する保険では対応できるものはありません。ただし“専有部分で加入している火災保険”であれば、補償になる可能性はあります。
     商品によりますが“専有部分で加入している火災保険”には、“風災”という補償があり、“台風で屋根が壊れ、建物が損害を受けた”場合に補償が受けられるもので今回のケースについて保険会社の判断によっては、補償対象になる可能性はあると考えます。
    ㈱セゾン保険サービス・岩﨑正裕
    (大規模修繕工事新聞122号)

  2. 台風によるマンションの各住戸被害の補償は、主に2つの保険から成り立っています。1つは個人が加入する家庭用火災保険、もう1つはマンション全体が加入する共同建物火災保険です。

    家庭用火災保険
    家庭用火災保険は、個々の住戸所有者が加入する保険です。この保険は、火災だけでなく、風水害などの自然災害による被害も補償対象となっています。ただし、補償の範囲や金額は、加入者が契約時に選択したプランによって異なります。台風による被害をカバーするには、風水害特約が付いたプランに加入する必要があります。

    共同建物火災保険
    共同建物火災保険は、マンション全体が加入する保険です。この保険は、マンションの共用部分(例えば、エントランスや廊下、エレベーターなど)や外壁、屋根などの損害を補償します。こちらも火災以外の自然災害による被害がカバーされる場合がありますが、それは契約内容によって異なります。

    台風によるマンションの各住戸被害の補償を受けるためには、まず自分が加入している家庭用火災保険の契約内容を確認し、風水害特約が付いているかどうかを確認してください。また、共同建物火災保険の適用範囲や補償内容についても、マンション管理組合や保険会社に問い合わせることが重要です。被害が発生した場合は、速やかに保険会社に連絡し、必要な手続きを行ってください。

    被害が発生した場合には、以下の手順で対応してください。

    1.安全確保:
    まず、自分自身や家族の安全を確保してください。また、周辺の状況を確認し、火災やガス漏れなどの二次災害の危険がないか確認してください。
    2.写真や動画の撮影
    被害状況を写真や動画で記録しておくことが重要です。これは、保険請求の際に証拠として役立ちます。また、損害の状況を詳細に記録しておくことも役立ちます。

    3.保険会社への連絡:
    被害が発生したら、速やかに保険会社に連絡し、適切な手続きを行ってください。家庭用火災保険と共同建物火災保険の両方に連絡する必要がある場合もあります。

    4.被害の詳細報告と査定:
    保険会社に被害状況を報告し、査定を依頼します。通常、保険会社は専門の査定員を派遣し、現地で被害状況を調査します。査定員が訪れる際には、被害状況を示す写真や動画、詳細な記録などを提示してください。

    5.修復工事:
    保険会社との交渉が終わり、補償金が支払われることが確定したら、修復工事を開始します。修復工事は、個別の住戸に関しては家庭用火災保険が、共用部分や外壁などは共同建物火災保険がカバーする場合が一般的です。

    最後に、台風被害に対する補償や手続きに関して不安がある場合は、保険会社やマンション管理組合に相談することをお勧めします。また、地域の自治体や消費者センターなども、保険に関する相談窓口として活用できます。
    (AI先生)

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください