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「民泊」許容・禁止の規約例を発表/国土交通省

 東京五輪・パラリンピックに向け、国では自宅の一部や別荘、マンションの空き家などを活用する宿泊サービス(民泊)を推進しています。とはいえ、特に住居専用のマンションで民泊が認められると、一般住民における生活環境への影響は計り知れず、管理組合内での合意形成、ルール規定などを行うことが望まれます。
国土交通省では2016年11月11日、特区民泊※の滞在日数要件を6泊7日から2泊3日に緩和するなどを内容とする改正国家戦略特別区域法施行令が施行されることから、「特区民泊の円滑な普及を図る」ことを目的に民泊の許容・禁止の管理規約例を作成、関係自治体・団体に通知しました。
管理規約で民泊禁止を規定していれば、ルール違反への対応ができます。現在の管理規約(専有部分の用途)にある「専有部分を専ら住宅として使用するもの」とする規定は、解釈によって変動する可能性があるため、管理組合が独自に防衛する必要があるようです。 国土交通省も「管理組合でよく議論の上、方針を決定し、できるだけ管理規約において明示する等により方針を告知することが望ましい」としています。
※「特区民泊」・・・国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第13条に規定される「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」 管理規約で制限する場合のポイントとして、あいまいな表現は見解や解釈で変動するため、具体的な記載をすることが大事です。 管理規約にないとどうなるのか…民泊ホストの言い分が強くなる、いつの間にか民泊推進が多数派になる展開になる可能性があります。 また、民泊を容認する場合でも迷惑行為の禁止と発生した場合の原状回復義務を明文化しておく必要があります。(大規模修繕工事新聞 第84号)

「民泊」許容・禁止の規約例を発表/国土交通省へ3件のフィードバックがあります。

  1. 【民泊に関する規定例】

    <特区民泊に対する管理規約例>
    (国土交通省作成)
    ◇許容することを明示する場合の管理規約の一例第○条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
    2 区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用することができる。

    ◇禁止を明示する場合の管理規約の一例
    第○条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
    2 区分所有者は、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用してはならない。

    ◇使用細則に委ねることとする場合の案
    第○条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
    2 区分所有者が、その専有部分を国家戦略特別区域法第13条第1項の特定認定を受けて行う国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に使用することを可能とするか否かについては、使用細則に定めることができるものとする。

    <改良版マンション標準管理規約>
    (NPO全国マンション管理組合連合会・日本マンション学会作成)
    第12条(専有部分の用途)関係コメント
    ・脱法ハウスや民泊の禁止または許可の条文例
    ⇒例:以下の用途は前項に定める住宅としての使用にはあたらないものとする。ただし、理事会の議決を経て理事長が承認する場合はこの限りではない。
    一.1つの専有部分を別個の契約により多人数(○人以上)に賃貸すること(いわゆる脱法ハウス)。なお、1つの賃貸借契約であっても居住者間で家賃の収受を行う場合は別個の契約とみなす
    二.専有部分を不特定多数の宿泊に供すること(いわゆる民泊)
    三.専有部分を1ケ月未満の契約により賃貸すること(いわゆるウィークリーマンション)

    <福管連モデル管理規約>
    (NPO福岡マンション管理組合連合会作成)
    (専有部分の用途)
    第12条 区分所有者及び占有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
    (12条関係コメント)
    ① 対象物件の使用方法については、占有者も区分所有者と同様に規約遵守義務がある(第5条第2項)が、用法の遵守は重要事項として、確認的に規定した。
    ② 「専ら住宅として使用」とは、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。茶道、華道、ピアノ等の教授等が「専ら住宅としての使用」に違反するかどうかは一律に決められず、規模・人数・時間帯・周囲の状況等により、個別に判断することになろう。
    ③ 一般住宅に旅行者を有料で泊める、いわゆる「民泊」については、国が法的措置を検討中であるが、このモデル規約のように「専有部分を専ら住宅として使用するもの」と定めている場合は、当該規約に違反するものと考えられる。
    (禁止事項及び使用細則)
    第18条 区分所有者及び占有者は、本マンション内において、次の行為を行ってはならない。ただし、各区分所有者の共同の利益に反せず、迷惑にならない行為であって、事前に理事長の書面による承認を受けた場合はこの限りではない。
    一~七(省略)
    八 有料の休憩・宿泊施設(対価を得て、専有部分の全部又は一部を休憩所又は宿泊施設として使用させるもの)として使用すること
    九~十五(省略)

  2. ◆民泊に狙われやすいマンション
    ・観光や行動で利便性がある
    ・管理規約に用途の規定がない
    ・管理員の勤務時間が少ない(小規模マンション等)
    ・賃貸住戸、空き住戸が多い
    ◆民泊の問題点
    ・騒音
    ・ごみ出し
    ・オートロックの暗証番号のネット上での掲載
    ・喫煙、傘などの盗難
    ・見知らぬ外国人の出入りへの不安

  3. 「民泊」解禁、管理規約改正でトラブル回避を

     マンション、戸建て住宅の空き部屋を宿泊施設として使用する「民泊」が広まっているが、厚生労働省と国土交通省は2016年4月、民泊を旅館業法の簡易宿所に位置づけ、面積要件を緩和するなど、事実上民泊を解禁した。
     マンション、戸建て住宅などを中心に、プラットフォーマーといわれる情報仲介サイトを通じて、民泊が半ば公然と行われており、部屋を貸し出すホストは年々増加。2015年度は5,000人以上、ゲストとされる宿泊者は50万人を超えたといわれる。東京、大阪など大都市部では数年来、ホテル不足が深刻になっている背景がある。満室を示すホテルの稼働率は80%を超えているという。
     東京五輪・パラリンピックを控え、観光立国を推進する安倍政権は、内閣府の規制改革会議で民泊を旅館業法の適用外とすることを求めた。
     一方、厚労省と国交省の有識者会議も、民泊の普及のため、民泊業者の登録制度を設けてトラブル対策とし、住宅地でも民泊を認め、1泊2泊から可能とする内容などを盛り込んだ新法制定を2017年度初めにも目指している。
     2016年4月の解禁、また来年の新法による本格解禁に伴い、マンションの区分所有者、賃借人、占有者などが民泊ビジネスに乗り出す恐れがある。家具、設備の調達などの投資もそれほど必要でなく、手軽で儲かるビジネスとされ、管理規約などで厳格に規制しないと、マンションでも広がる懸念がある。
     マンション、戸建て住宅とも近年、空き家が急速に増えており、民泊ビジネスが広がる条件がそろっている。特にマンションでは、監視の目が届きにくい面もあり、民泊が拡大してからでは対応が後手となり、収拾がつかなくなることも予測される民泊は外国人の利用が主体のため、生活週間の違いから、夜間の騒音、ゴミ出し等のトラブルが発生する。
     こうしたトラブル回避のためには、管理規約、使用細則の整備が必要だ。都心の高層マンションではその対応として、すでに管理規約改正に踏み切ったケースもある。
    日住協では民泊に関する規約改正案を検討しているが、①民泊等、短期間の不特定のものに対する貸与を禁ずる②民泊の事実が確認された場合、理事長は区分所有者等に対して調査のため、専有部分への立ち入りを請求できるなどの規定が最低限必要になると想定している。
    (NPO日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2016年4月5日付第403号「論談」より)

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