管理組合役員、修繕委員のお悩みにAI先生と全建センターの各分野のスタッフが回答します。

コロナで工事延期は不可抗力?

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、現在行っている大規模修繕工事を一時的にストップさせてほしいという進言が施工会社からありました。工事中は足場をかけ、メッシュシートを張っているため、住戸の換気がしにくく、住民の健康被害につながる可能性が高くなると言います。そこで、一時的な足場解体・メッシュシートの撤去費用を管理組合が支出してほしいと言うのですが…。  そもそも管理組合の資産は十分ではありません。こうした状況下で、工事を中止するのは管理組合の責任で行うものでしょうか。

コロナで工事延期は不可抗力?へ1件のフィードバックがあります。

  1. 施工会社には履行責任あり
    一方的な要請は信頼関係に影響

     一般的に施工会社と管理組合の間で利用されている契約として、マンション修繕工事請負契約約款があります。そこに「不可抗力による損害」の条項があり、不可抗力として認められるものは発注者(=管理組合)がこれを負担するという内容になっています。
     ただし、この条項が現在の新型コロナウイルスに関して、不可抗力があるかどうか、帰責事由があるかどうか判断できるでしょうか。
     ある施工会社の取締役に聞いたところ、施工会社のほうから工事の中止・延期を求めることは「考えられない」と言います。管理組合と請負契約を結んだ施工会社は期限内の工事の履行責任があるというわけです。
     とはいえ、個別具体的な契約関係の諸事情に応じて判断が異なるという声もあります。関係団体によると、工事を中止・延期するのであれば、管理組合と話し合い、協議が必要です。一方的な負担の要請などは信頼関係に影響することになります。
     現在は世界中の人々が新型コロナウイルスの影響下にいます。そんな中で一方的な要請はありえません。

    (大規模修繕工事新聞126号)

    民間連合協定】マンション修繕工事請負契約約款
    第20条(不可抗力による損害)
    (1) 天災その他自然的又は人為的な事象であって、発注者、受注者いずれにもその責めを期することのできない事由(以下「不可抗力」という。)によって、この工事の出来形部分、工事仮設物、工事場所に搬入した工事材料、建築設備の機器(有償支給材料を含む。)又は施工用機器について損害が生じたときは、受注者は、事実発生後速やかにその状況を発注者に通知する。
    (2) 本条(1)の損害について、発注者及び受注者が協議して重大なものと認め、かつ、受注者が善良な管理者としての注意をしたと認められるものは、発注者がこれを負担する。

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