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総会時、理事が議案に反対できるか?

管理組合の理事を務めています。
現在の理事会の懸案事項は大規模修繕工事の実施です。建物調査・診断を行ったところ、大きな損傷はないとみられ、工事を数年延ばしてもよいのではないかと思ったのですが、理事長の独断で6月の総会議案に盛り込まれることになりました。この人は10数年理事長を続けており、他の理事が口出しできない状況なのがわかります。しかし、私は理事長の独断に賛成できかねます。総会時に工事の実施案を図ったところで、理事の私がその議案に反対することができるのでしょうか?

総会時、理事が議案に反対できるか?へ1件のフィードバックがあります。

  1. 理事のまま反対か、辞めて反対か各管理組合の状態に合った方策を

    理事会は管理組合の執行機関として、年間業務方針案や予算案、あるいは滞納者への訴訟提起案、工事の実施案など、総会前に提案事項を決めています。理事会全員一致であれば問題ありませんが、反対があった場合はどうするべきでしょうか?
    <主流な考え方は2通りです。>
    ⑴総会で理事の立場で反対する
     理事会の立場は総会への提案である。理事は総会の「決定」に従って、それを執行する義務があるのであって、「案」に賛成する義務はない。このため、理事会で少数派であっても総会で多数になるよう訴える権利はある。理事も一区分所有者として発言の自由があるのは妥当だと思われる。
    ⑵総会で一区分所有者として反対する
     理事は管理規約により、総会の決議で選任されることになっている。また区分所有法において役員の資格に特に制限はない。ただし、執行機関である理事会の内紛をそのまま総会に持ち込むことは、理事会不信になりかねず、当然に理事会「案」も不信を招きやすい。
     このため、理事は一致した態度で総会に臨むべきで、総会で意見を言いたいのなら理事を辞任した上で、一区分所有者として発言すべきである。

     どちらが正解とは言えませんが、後のトラブル回避のためにも各管理組合の状態にあった方策を「理事会運営細則」等で定めておくことが考えられます。
    とはいえ、質問者のマンションのような「他の理事が口出しできない」理事長は例外です。早く印籠を渡して、みんなが関心のある管理運営にしたいものです。
    〈参考〉『マンション管理の「なぜ?」がよくわかる本』
    発行/住宅新報社 著者/ NPO日本住宅管理組合協議会

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