2018年12月から始まる4K・8K実用放送は現行の衛星放送とは異なる仕組みで放送されるが、現在、販売されている4Kテレビや4K対応テレビにはBS、110度CSによる4K・8K実用放送の受信機能は搭載されていないため、今のまま4K対応テレビを購入しても、画像は4Kとはならないためマンション共聴設備の改修や専用の受信器等の設置が必要となるとのことですが、マンションではどのような改修が必要となるのでしょうか。
マンション(テレビ共聴アンテナの場合)で4K・8Kを受信するために、ような改修が必要となるのでしょうか?
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<4K・8K受信への対応工事>
4K・8K電波に対応する器材とするには、周波数では約3,224MHz(メガヘルツ)で動作する性能・機能にしなければなりません。
共用部分に設置されている器材については、①電波を受信するアンテナ②受信した弱い電波を大きくする増幅器③増幅器で大きくなった電波を各世帯に分ける分配器④上記機器を結ぶケーブル⑤上記分配器から専有部分に電波を運ぶケーブル、これらを4K・8K対応器材に交換する必要があります。
このほか、専有部分では⑥共用部分からの連続しているケーブル⑦ケーブルからから電波を取り出すユニットの改修です。
改修工事をする上で、特に注意したいことは下記の3点です。
1)ケーブルが各階にまたがっているために1世帯単独で工事ができません。
※昭和時代のマンションは上の階から下の階まで1本で接続されています。仮に5階建てであれば、縦方向5世帯が同時に入室作業となり、日程調整ができないと工事ができないこともあります。
2)平成以降のマンションであれば、共用部分から1本の専用ケーブルが各戸に導入されています。しかし、専有部分に配置されている分配器から各部屋にテレビのケーブルが複数施工されているマンションでは、交換ができないケースがあります。
3)最大の問題は、4K・8KはBS1の2倍の周波数があるため、BSで受信できても、仮にマンションの規模が大きい場合、末端まで電波が受信できる大きさで届けることができないという点です。現状の2倍の周波数を受信しても、上図のように、共用から分配器より下流の専有部分までいくと周波数が減衰され、4K・8K用のケーブルに交換しても映らない可能性があるのです。まずは自分のマンションのテレビ配線の現状を確認することが必要でしょう。
<まずは専門家へ相談を>
「現在の2Kで十分満足」という家庭もありますが、マンションという集合住宅では全戸対象にものごとを考えなければなりません。東京五輪・パラリンピックを前に4K・8Kを見るための対応は社会的劣化から脱するひとつのマンションの付加価値です。とはいえ、改修が簡単ではないマンションも少なくありません。まずは専門家へ相談をして、なるべく早く4K・8K対応へのマンション内での合意を得たいものです。
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<早めの検討、住民周知が必要>
BS・110度CSの4K・8Kスーパーハイビジョン(SHV)実用 放送が2018年12月、現行の衛星放送とは異なった規格で開始さ れます。
現在、家電売り場で4Kテレビや4K対応テレビが売られてい ますが、一部ケーブルテレビやインターネットなど配信サービ ス以外、一般の家庭で視聴することはできません。 また、視聴するにしても4Kテレビや4K対応テレビに加え、 受信機能のある4Kチューナーが必要となります。 加えてマンションで2018年12月以降、BS・110度CS左旋の 実用放送を見るためには、右左旋共用アンテナの設置や、ブー スター、分配器などテレビ共同受信設備を3,224MHz対応機器 へ改修することが必要です。
設備の改修には工事計画、資金調達、総会決議、工事発注な どの手続きなど、工事完了まで長期間を要します。 管理組合の対応が遅れると、4K・8K放送を見たい住戸が待 ちきれず、ベランダに勝手に受信アンテナを設置するケースが 増えると考えられます。
マンションの住民から「聞いていない」「早く教えてくれれ ばよかったのに」などといった苦情が出ないよう、管理組合内 での早めの検討と対応、住民への周知が必要といえるでしょう。
※ 現行のハイビジョン(2K)は2018年以降も継続して視聴可能。スーパーハイビジョン(4K・8K)を必要としない 家庭では新しいテレビを購入しなくても、今のテレビのま まテレビ番組を見ることができます。
◆4K・8K放送のロードマップ
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<4K・8Kとは >
4K・8Kスーパーハイビジョン放送は、現行のハイビジョン(2K)を超える超高精細な画質による放送をいう。スーパーハイビジョンの解像度は4Kが約800万画素、8Kが約3,300万画素で、それぞれハイビジョン(2K)の4倍、16倍超となり、より立体感、臨場感ある映像を楽しむことができる。
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<4K・8Kを見るためには>
現行のBS放送、110度CS放送は放送衛星より右旋(うせん=右回り)で電波が送られている。それを左旋(させん=左回り)で出すと、右旋と同じ分の帯域が新たに使えることになる。この左旋の電波を使うことで4K・8K放送を実現させるのである。
このため、4K・8Kを見るためには右左旋共用のアンテナが必要となり、使用周波数帯域3,224MHzまで対応する機器に変更(改修)する必要がある。
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