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大震災が起きたら、マンションも崩壊してしまうのでしょうか?

東日本大震災でマンションが倒れたという話はあまり聞かなかったようですが、傾いたマンションがあったそうです。主人は、「鉄筋コンクリートは大丈夫」といいますが、マンションの構造もよくわかりません。ほんとうに大丈夫だといえるのでしょうか?

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  1. 耐震性能を新耐震基準にすることが肝心
    現在、建物の構造強度基準は昭和56年に建築基準法が改正され、改正以後を新耐震基準、それ以前を旧耐震基準と呼んでいます。
    阪神・淡路大震災ではマンションも大きな被害を受け100棟以上の建物が大破倒壊により建て替えを余儀なくされました。
    しかし、それらのほとんどは旧耐震建物だったので新耐震基準の設計方法や計算手法は今も見直されていません。
    こうしたことから、大地震でマンションを倒壊させないためには、まずは新耐震基準の建物であるかどうかを確認します。
    旧耐震建物であれば耐震診断を行い、現状の耐震性能を正確に把握した上で、新耐震基準まで耐震補強工事を行うことが肝心でしょう。
    東日本大震災では津波による被災は甚大でしたが、地震が直接原因による建物の大きな被害はあまりみられませんでした。
    ただし、震源から遠く離れた関西で、超高層ビルに予想外の大きな被害がありました。今後は長周期地震動への対策の見直しが行われています。

    鉄筋コンクリート造の構造躯体は、圧縮に強いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋からできています。
    こうした鉄筋コンクリートはどのように劣化するのでしょうか。
    新築時のコンクリートは強アルカリ性ですが、経年とともに中性化が進みます。するとひび割れなどから雨風がコンクリート内部に入り込み、中の鉄筋が錆びたり、酸化します。
    構造躯体にとっては鉄筋の腐食が一番の問題ですが、中性化遅延・回復方法や鉄筋の防食・除錆方法がまだ確立していません。
    建物の保護のためにも、大規模修繕工事時の躯体補修は重要なのです。

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